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特集記事

インターネット通販利用者必見!
覚えておこう「特定商取引法」のポイント

 一般社団法人ECネットワーク 理事 原田 由里

【筆者紹介】原田 由里(はらだ ゆり) 主にネット関連の消費者トラブル相談を受けるほか、ネットの消費者問題など、そのトラブルや対策などに関する講演活動、消費者啓発教材・消費者問題関連書籍への寄稿、また、関係省庁の研究会、業界団体等へ委員として参加。

 

1 こんなトラブルが多発中!!

  • 広告で見たダイエットサプリ100円お試しコースを申し込んだつもりが定期購入。最初に1袋届き、1週間後に次の商品が届いた。100円は4回定期購入が条件で途中解約できず、初回でやめるには正価との差額の8,000円を支払う必要があるという。
  • 定期購入で、解約するには次回発送日の10日前に電話による申し出が必要とのことだが、いつかけても電話が通じず解約ができない。
  • 「この期間中に申し込んだ人だけに適用される無料キャンペーン」があった動画配信のサブスクリプション(定額制サービス)に申込み、その後、適用された無料キャンペーン期間が過ぎたことに気付かず、いつの間にか有料サービスに切り替わっていた。 

 

2 「特定商取引法」とは

 事業者による悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めていて、民法に優先します。

3 <対象となる取引類型>

 「訪問販売」「通信販売」「電話勧誘販売」「連鎖販売取引(マルチ商法)」「特定継続的役務提供(エステ・英会話・学習塾など)」「業務提供誘引販売取引(内職商法)」「訪問購入」
 この他、「ネガティブオプション(送り付け商法)」についても規定されています。
  ↓
★ここに注意

 インターネット通販は通信販売のひとつですが、通信販売は上記の特定商取引法の対象となる取引類型の中で、唯一、クーリング・オフの適用がありません。

4 特定商取引法改正による「詐欺的な定期購入商法」対策

 令和4年6月に、特定商取引法が改正施行され、通信販売の悪質な定期購入などの対策が強化されました。

5 定期購入などに対する規制強化

 通信販売の中には、1回購入だけでなく、消費者が自ら解約手続きをしない限り、自動的に契約が更新する定期購入やサブスクリプション契約が存在します。
 もちろん広告上には、その旨、契約条件が表示されているはずなのですが小さな文字で記載されているため見落としてしまったり、途中解約がしにくいなどの問題が発生していました。また、「○人限り」「○時間のみ」といった広告が、実は常時開催されているなどのケースもあります。

 消費者が意図しない定期購入に申込んだり、その解約に関するトラブルの増加を受けて、改正法ではインターネット通販等に関して、これらの問題に対処するため規制を強化し、ルールを守らない事業者に対する罰則が強化されました。
  ↓
★ここを確認!!

 今回の法改正では、インターネット通販の「最終申込画面」において下記の表記が新たに義務付けられました。自分が申し込む契約条件を最後に必ず確認しましょう。

  • 商品等の分量(各回の分量・提供期間・定期購入やサブスクリプションなど無期限の場合はその旨・無料期間の条件や自動更新の場合はその旨など)
  • 対価(各回の代金・総額・サブスクリプションなどは移行時期とその金額、各回の支払い時期・各回の引き渡し時期など)
  • 商品等の申込み自体に期間を設定している場合(カウントダウンや個数限定など)はその旨、及びその内容
  • 契約解除(違約金があればその旨・解約方法・解約受付手段など)特に解約方法等に制限がある場合には、その旨明瞭に示し、電話番号については確実につながる番号を掲載しておく。

 

6 誤認契約の場合は消費者に取消権

 事業者は契約の申込みとなることを消費者に誤認させるような表示や、上記の事項について誤認させるような表示を禁止されています。
 インターネット通販等において、事業者によりこれらに不実の表示がなされ、消費者がその表示が事実であると誤認した場合、また、表示がなされなかった場合であって、その表示されていない事項が存在しないと誤認した場合は、消費者は事業者に対し、その意志表示を取り消すことができるようになりました。
  ↓
★これだけはやっておこう!!!

 申込みの画面をスクリーンショットで保存する習慣をつけましょう。
 インターネット通販で特に悪質な事業者の場合、ウエブ上の広告や画面が事業者により後から勝手に変更されることも想定されます。後から「言った、言わない」の争いにならないために、消費者も注文申込み時の広告画面や最終申込画面を保存し、トラブルに備えておきましょう。

 

7 その他の特定商取引法の改正内容

【クーリング・オフ通知の電子化】
 令和3年改正法にて本年6月に施行された内容のひとつです。クーリング・オフは、主に訪問販売等において一定期間、消費者から契約を解除できる強力な権利です。
 これまで書面による通知が必要でしたが、電子メールやFAX等で行うことが可能になりました。

【ネガティブオプションの規定強化】
 売買契約に基づかないで、代金請求とともに商品を送り付ける、いわゆる「送り付け商法」について、事業者は、消費者がその商品をすぐに処分しても返還請求が出来なくなりました。


消費生活情報

センターホームページ動画ギャラリーがますます充実!

 センターが各区役所と共催している「消費生活教室」を動画収録してダイジェスト版を 動画ギャラリー に収録しました。
 参加できなかった方や参加された方の復習動画としてご活用ください。

【健康食品の基礎知識 ~怪しげな勧誘・誘惑にまどわされないために~】

令和4年6月29日(水)磯子公会堂ホールの消費生活教室

 講師は健康食品研究の第一人者、昭和女子大学食健康科学部の梅垣敬三教授です。
 健康食品ブームの中、様々な健康食品が販売されており、悪質な販売方法や摂取による危害トラブルも発生しています。健康食品は医薬品ではなく、あくまでも食品です。

【遺産と相続と遺言書の話 ~もしものときに備えて、知っておきたい基礎知識~】

 令和4年8月26日(金)港南公会堂ホールの消費生活教室


 講師は神奈川県弁護士会の山本安志弁護士です。
 『終活』がブームになっており、高齢者の皆さんには関心が高く、人生の最終章をいかに過ごし、後世に何を残しどう最後を迎えるかなどを、相続アドバイザーでもある同氏が、具体的に分かりやすく講演。

 


 

若者110番を実施します!

令和5年1月12日(木)~13日(金)
相談受付 9:00~18:00
相談専用電話 045-845-6666

インターネット関連、通信販売、情報商材、マルチ商法など、消費生活トラブルでお困りの方は、ひとりで悩まず、お電話でご相談ください。

 


消費生活教室

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  ※実施につきましては直前にご確認をお願いします。

【問合せ先】「消費生活教室」担当 電話:845-5640 FAX:845-7720

《神奈川区役所共催》
不当・架空請求トラブルにあわないために
-ハガキやメール等に潜む狡猾な手口とは-
講師 東京経済大学 現代法学部教授
弁護士 村 千鶴子
日時 令和4年12月12日(月曜)14時00分から16時00分(開場・受付13時30分)
会場 神奈川区役所 本館5階 大会議室
交通 JR「東神奈川駅」徒歩約7分
東横線「反町駅」徒歩約7分
京急線「京急東神奈川駅」徒歩約9分
参加費 無料
定員 40名
対象 横浜市在住・在勤・在学のかた
申込方法 事前申込制です。
申込み・問い合わせ先
 神奈川区役所 地域振興課「消費生活教室」担当
 電話:411-7086 FAX:323-2502
 令和4年11月14日(月)より受付。定員になり次第締め切り。

 

《保土ヶ谷区役所共催》
加速するキャッシュレス決裁の行方
-通貨はどこに?知っておきたい仕組みと注意点-
講師 山本国際コンサルタンツ
代表 山本 正行
日時 令和5年1月26日(木曜)13時30分から15時30分(開場・受付13時)
会場 保土ヶ谷公会堂 会議室
交通 相鉄線「星川駅」徒歩約3分
参加費 無料
定員 80名
対象 横浜市在住・在勤・在学のかた
申込方法 事前の申込みは不要です。当日、直接会場にお越しください。先着順です。

 

「展示・情報資料室」のご案内(センター4階)

 センター入り口の「展示・情報資料室」では、消費生活に関する図書、雑誌、リーフレットなどの閲覧のほか、図書、DVD、展示用パネルの貸出を行っています。(貸出は市内在住・在勤・在学のかたが対象で、お一人3点まで、貸出期間は2週間です)

・開館時間  平日:午前9時~午後7時、土曜日:午前9時~午後5時

展示情報資料室・カウンター展示情報資料室・図書1展示情報資料室・図書2展示情報資料室・チラシ等

「くらしナビ」や消費生活に関する様々なパンフレット、チラシ等はご自由にお持ち帰りいただくこともできます。

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